「気の利かない部下や後輩にイライラしない」自分の精神衛生を守る伝え方

「え?何でやってくれてないの?」

部下や後輩に対して、一度は感じたことがありませんか?

たとえば、言わなくてもホコリが溜まっていたら、さっと掃除しておいて欲しい。

給湯室で水回りが水滴で散らかっていたら、きれいにして欲しい。
花瓶のお水を交換する、など。

他には、基本中の基本である、報連相ができない人もいますよね。

業務リストに載らないような些細なことほど、「何でやってくれてないの?」が発生しやすい傾向があると思います。

心の中では、

「言わなくても分かるでしょ?」
「そんなの常識でしょ?」

といったように、否定の言葉と不快な感情が沸き起こるかもしれません。

そして、部下や後輩に対して、「気の利かない人」というネガティブな印象を抱いてしまうこともあります。

そのストレス、蓄積して爆発していませんか?

「何でやってくれないの?」が、どんどん蓄積して、ストレスに繋がって、部下や後輩に対して、爆発してしまう人もいるのではないでしょうか?

もしくは、相手に言えず、ストレスを抱え込む人もいると思います。

しんどいですよね。。。

いつも自分ばっかり、いつも同じ人ばっかりが、気を利かせて動いている。
察して動いてくれない人に対して、こんな風に伝えていませんか?

「何でやらないんですか?(怒)」
「自分で考えて行動しましょう」
「もっと周りを見て、自発的に行動しましょう」
「他の人がしていることを見て、教えられなくても自分で学び取りましょう」

心を鬼にして言ったのに、状況は変わらなかった、という方も多いのではないでしょうか。

実は、けっこう難易度の高いお願いなのです。

「一を聞いて、十を知る」

物事の一端を聞いて、その全体像を理解する。とても理解力のある人を例える言葉です。

「もっと周りを見て、自分で気づいて、自発的に動くこと。」

これって、言われた人の、能力に左右されるんですよね。
「一つを聞いて、十を知る」を求めているようなものなのです。

人の脳は、自分の頭の中にあるもの、意識していることしか、認知できないのです。

だから、ふんわりと「もっと周りを見て」と言われても、もともと意識のないことに対しては、気づきをもつことが難しかったりします。特に自分事でない限り、関心のないことは視界に入っても、認知されずスルーします。

そのため、どれだけ「察して」と求めても、相手が変化することって難しいのです。

感情的な抽象表現が、口うるさい小姑という印象を与える。

「もっと周りを見て」というより、周りで起きている、何を見るのか?
それを具体的に伝えること。これが本当に大切です。

ホコリが溜まっていないか、見てね。といったように。

知らず知らずのうちに、誰かがしてくれている事ほど、気づかないからやらないものです。認知していないこと、知らないことに気づけと言われても、難しいですよね。

いちいち言うの、めんどくさい。
1から10まで言わせるな。
小姑って思われたくない、という感情も湧いてくることでしょう。

ですが、具体的に伝えることなく、感情的に「もっと周りを見て、自分で考えて行動して!」と言われるほど、口うるさい小姑としての印象を抱きやすいもの。

たとえ些細な事でもいいんです。
言いずらい場合は、ToDoリストを作ってしまいましょう。
役割分担や交代制を導入しても良いのです。
ルーティンに組み込む、いわゆる、仕組化です。

気づいた人がやればいい、で済まない状態になっているのなら、
本来の目的であり、何より大事なのは、特定の人に偏る業務外の負担の分散です。

言われたことしかできない!という人も、逆を言えば、言われたことならできる!可能性があるのです。

その可能性に、委ねてみましょう。

きちんと伝えた後は、諦めること

自分が伝えるべきことを伝えた後、相手の反応や結果は手放しましょう。

100%完全に、自分の思い通りに動いてくれる人なんて、存在していません。

どれだけ伝えても、やっぱりその人にとって重要でないことは、気づけないこともあります。

リストに書いていても、やらない人はやらないものですし、義務感を感じて、しんどいという人もいるかもしれません。

それは、どうあがいても、どうしようもないこと。

モチベーションの低い部下・後輩にやる気を起こさせるのは、また別の問題なのです。

気づいていない人に、気づくきっかけを与えてあげた。その行動こそが、価値のあるものなのです。育つ部下・後輩は、きちんとそれを吸収します。

「気づき」とは、本当にその人自身の能力や経験値によるもの。

今の自分が持っている「気づける能力」や「察する能力」だって、生きてきた経験の中で、培ってきたものです。
誰かに、気づくきっかけを与えて貰い、育った能力なのです。

部下や後輩は、自分が通ってきた後の道を歩いている、経験の途上です。

あなたは、これから、どんな伝え方で、後輩たちに気づくきっかけを与えてあげますか?