嘘をついてはいけない本当の理由

「嘘つきは泥棒の始まり」

こどものころ、一度は聞いたことがある言葉だと思います。

嘘をついてはいけませんよ。

という、戒めの意味がこめられていると思います。

なぜ、嘘をついてはいけないのでしょうか?

誰かを傷つけることになるから?
誰かを裏切ることになるから?

その理由を考えてみると、価値観や、育ってきた環境によって、様々な答えが浮かんでくると思います。

そして、「嘘も方便」といった、言葉もあります。

人を癒す優しい嘘も存在しているくらいだから、

”嘘をついて良いのか?悪いのか?”

きっと、そこには明確な答えは無いのかもしれません。

けれど、ただ1つ、「嘘をついてはいけない」理由があります。

想像してみてください

残業続きだった仕事が早く終わり、帰宅しようと駅に向かっていると、学生時代の男友達から連絡がありました。

仕事で近くにきているから、久しぶりに飲みに行こう、というお誘いです。

あなたには、付き合って半年弱の彼氏がいますが、彼は意外と焼きもちをタイプで、古い友だちとはいえ、男性と二人で飲みに行くことを快く思っていません。

けれど、気心のしれた古い友人と、久しぶりにお互い近況報告したり、一緒に飲みたい気分でした。

あなたは、その日、男友達と飲み、学生時代に戻ったような楽しい時間を過ごしました。

翌日、あなたは、彼氏から「昨日も遅くまで残業してた?お疲れ様」と連絡がきました。

あなたは、彼を不機嫌にさせるくらいなら、昨夜男友達の飲みにいったことを、言わなくても良いと判断し、「昨日も終電間際まで仕事だった」と答えました。

***

とても小さな嘘。

この嘘に、良い、悪いの判断をすることはできないし、その答えもありません。

けれど、1つだけ確実に起こることがあります。

あなたが嘘をつくことで、

”人は嘘をつく生き物だ”という観念を、自らに植え付けることになるのです。

それは、あなたの心に、”人を信用できない、疑ってしまう”種が植えられたということ。

今度は、彼と連絡がつかない時や、彼の発言に対して、あなた自身に、
「彼が嘘をついているのでは?」と言う疑いの心が芽生えてしまうのです。

「嘘をついてはいけない本当の理由は、自分が人を信用できなくなるから」

生きていると、本当に誰かのことを想って、嘘をつく必要が出てくる事もあるでしょう。

だけど、できるだけ自分の心が綺麗にいられるように、自分自身と周りの人を信じる力を育むために、

自分の欲求や損得から「小さな嘘」をつきそうな時には、一度立ち止まって、このことを思い出してみてください。