「嘘つきは泥棒の始まり」
こどものころ、一度は聞いたことがある言葉だと思います。
嘘をついてはいけませんよ。
という、戒めの意味がこめられていると思います。
なぜ、嘘をついてはいけないのでしょうか?
誰かを傷つけることになるから?
誰かを裏切ることになるから?
その理由を考えてみると、価値観や、育ってきた環境によって、様々な答えが浮かんでくると思います。
そして、「嘘も方便」といった、言葉もあります。
人を癒す優しい嘘も存在しているくらいだから、
”嘘をついて良いのか?悪いのか?”
きっと、そこには明確な答えは無いのかもしれません。
けれど、ただ1つ、「嘘をついてはいけない」理由があります。
想像してみてください
残業続きだった仕事が早く終わり、帰宅しようと駅に向かっていると、学生時代の男友達から連絡がありました。
仕事で近くにきているから、久しぶりに飲みに行こう、というお誘いです。
あなたには、付き合って半年弱の彼氏がいますが、彼は意外と焼きもちをタイプで、古い友だちとはいえ、男性と二人で飲みに行くことを快く思っていません。
けれど、気心のしれた古い友人と、久しぶりにお互い近況報告したり、一緒に飲みたい気分でした。
あなたは、その日、男友達と飲み、学生時代に戻ったような楽しい時間を過ごしました。
翌日、あなたは、彼氏から「昨日も遅くまで残業してた?お疲れ様」と連絡がきました。
あなたは、彼を不機嫌にさせるくらいなら、昨夜男友達の飲みにいったことを、言わなくても良いと判断し、「昨日も終電間際まで仕事だった」と答えました。
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とても小さな嘘。
この嘘に、良い、悪いの判断をすることはできないし、その答えもありません。
けれど、1つだけ確実に起こることがあります。
あなたが嘘をつくことで、
”人は嘘をつく生き物だ”という観念を、自らに植え付けることになるのです。
それは、あなたの心に、”人を信用できない、疑ってしまう”種が植えられたということ。
今度は、彼と連絡がつかない時や、彼の発言に対して、あなた自身に、
「彼が嘘をついているのでは?」と言う疑いの心が芽生えてしまうのです。
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「嘘をついてはいけない本当の理由は、自分が人を信用できなくなるから」
生きていると、本当に誰かのことを想って、嘘をつく必要が出てくる事もあるでしょう。
だけど、できるだけ自分の心が綺麗にいられるように、自分自身と周りの人を信じる力を育むために、
自分の欲求や損得から「小さな嘘」をつきそうな時には、一度立ち止まって、このことを思い出してみてください。